はりまノマド

西明石「地酒と辺境 はりまのまど」瀬尾亮ブログ

家を建てること

家を建てている。

と、エラそうに言えるほどのことではない。

基本大工さんが建てている。

内装だけ自分でやっている、という程度だけど、一応全部プロに任せきりではなく自分でできる部分は手を動かして作業している。

 

そもそもは店の内装を自分たちでやったことがきっかけだった。

一つ目の店を友人の言いなりになってよくわからないまま紹介された大工さんと一緒に自分も作業に入れられて、かなり大がかりに大工仕事して造ってから、二つ目の店の時には自分が主体で大工さんにも手伝ってもらってがらんどうの事務所だったところを四つの部屋のある店に仕上げるところまでやった。

その流れで、家を建てるとなった時にも、そりゃやるでしょ、内装だったらまあわかるし、それ以上もナンボかはできるんちゃうん?と当然の流れでなっていた。

 

店の内装やる時に参考にしていたのが、元々素人だった人が自力で家を造る本やネットで調べてみて初めて知ったのだけど、世の中素人でも本当にゼロから全部自分で一軒家を建てるような人も案外いるもんで、そういうのを見るに全ての工程が決して素人に手の出せないような難度という訳でもないことが知れる。

おのずと自分もという思いが膨らんでいくのだけど、時間と手間と安全面も含めた出来上がりの精度ということを考えると、全行程自分でということは現実的でない。

重要なところは本職にお願いしようかと、それを前提に何をできるかを考えてゆく。

 

そうして、実際に工務店さんに相談してみる。

まあ、そんなに大手というほどでもない地元の工務店さん。

自力建設ということについてある程度は応じられるけれど、建築物に対する保険というものがあるから、そこに関わらない範囲になってしまうという。

というのは、住み始めた家に何らか不具合が現れた場合、保険が適用されることになるのだけど、修繕の作業を行うのは建てた工務店ということになる。

そこで例えば雨漏りがあった場合、工務店が屋根下地を施工して、屋根材は施主である自分が施工した場合、その責任をどこに問うべきかが難しくなる。

ということで、雨じまい、耐震に関わるような重要部分は全て工務店側にやってもらうことになる。

家の基礎、骨組み、屋根や壁にサッシ入れるところなど。

そこから先の作業で、外壁の仕上げ、壁の断熱材、床板張り、壁の仕上げ、というところを自分の仕事としてもらうことになった。

 

 それから電気。

電気の配線工事は壁に仕込むところが多いので、内装の進捗状況に合わせて電気屋さんに来てもらわなければならない。

外注するとその都度相手を待たせたり待たされたりがあって効率が悪いので自分でできれば割合スムーズにいくのだという話。

それに加えて今回、太陽光発電した電気を蓄電池にためて自家消費、ということを考えていた。

余った電気を売電するというやつでなく、自分のところで全部使い切るために、電力会社から来た電気と別系統の配線を用意しなければならない。

そういうややこしいことを考えていたから自分でやれるのが一番だとは思っていたのだけど、電気工事士の試験は年に2回しかない。

タイミング的にとても間に合わないから諦めるしかないかと思っていたが、工事の前段階から諸々事情が重なって、着工が大幅に遅れて試験の合格発表の時期までずれ込むことになってしまった。

ということで、受かるという確信はないままに電気工事もするということにして受験、ちょっと際どかった気もするけど、何とか合格の通知をもらったので、電気工事も自分でやることになった。

 

そういう流れで、8月に基礎を着工、9月半ばに棟上げをして大工さんが屋根の下地、基礎の断熱、壁の下地など造っていってくれる中、10月後半から自分も電気配線から入って部屋の床板張りも始めているというのが現段階。

ここまでの細かいエピソードも色々あるのだけど、ここまでの経緯をざっくり書いておけばこんなところだ。

 

目標は年内引っ越しなのだが、午後からは店の仕事に出るために昼過ぎまでしか作業できず、じわりじわりとしか進まない状況でもう11月末。

そろそろ先延ばしを宣言すべきなんではないかと思ってる現時点なのだ。